札幌地区では札幌日大が札幌南を8-1の7回コールドで下し、札幌新川、東海大札幌とともに南北海道大会(8月3日開幕、札幌円山)に進出。

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札幌日大は2年生の逆転2ランで主導権を引き寄せた。先制を許した直後の1回裏1死三塁。3番石川真中堅手(2年)が強打した打球はぐんぐんと伸びて右中間の芝ではねた。「狙っていたアウトコースをコンパクトに振り抜けた」。昨秋全道決勝以来の公式戦2本目のアーチで、試合の流れを渡さなかった。

求められた期待に応えた。初戦は1番で出場し5打席で1四球に犠打2つ。この日は相手左投手対策も兼ね3番を任され「とにかくヒットを打ってチャンスを作るのが自分の仕事」。自然体で臨み、5回には再び右越え二塁打で出塁し生還。森本卓朗監督(39)は「パンチ力もあり力強い。打順を上げても応えてくれると思っていた」と、打線に勢いをもたらした殊勲の2年生をたたえた。

白樺学園に敗れ優勝を逃した昨秋以降は肉体改造に励んだ。1日の食事を5食から8食に増やし、体重は5キロ増の77キロ。「打球も伸びるようになった」。目標だった3年生との聖地出場はコロナ禍でかなわぬ夢となったが「悔しい思いをした3年生のためにも、この大会で優勝に導きたい」。雪辱に燃えて取り組んできたことを、無駄にはしない。【浅水友輝】

▽代表決定戦で敗れた札幌南・笹原一馬主将(3年) 自分たちは最後まで3年生も誰もやめずにチーム一体となってやってきた。1球に勝負をかけていくという自分たちの野球に取り組む姿勢を後輩たちに少しは見せられた。