長岡大手が長岡工と延長タイブレーク(無死一、二塁から開始)にもつれ込む接戦を演じ、延長10回4-3でサヨナラ勝ちした。3-3の10回裏1死二、三塁の場面で、この日2安打している岡部凜平捕手(3年)が中前にサヨナラ打を放った。16強が出そろい、4回戦8試合は8月1日に行われる。

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三塁側ベンチから長岡大手ナインが笑顔で小躍りしながら飛び出した。3-3で突入したタイブレークの延長10回を無失点に抑えた、その裏の攻撃。1死一、三塁で岡部に打席が巡ってきた。初球ボールで一塁走者の木倉享之介右翼手(3年)が盗塁。併殺の可能性をつみ、打席の岡部を援護した。「プレッシャーは期待だと思っている」。重圧をパワーに、2球目直球を中前にはじき返す。クロスゲームに耐えていたナインは喜びを爆発させた。

「頑張っている投手(上村健=3年)が(三)塁上にいた。その投手に本塁を踏ませてやりたかった」。岡部は、そんな思いもバットに乗せた。4回1死満塁から2番手で登板したエース上村が三塁上にいた。小出中時代にバッテリーを組んでいた同僚。少年野球チームの小出青空でも一緒だった幼なじみだ。「投手の頑張る気持ちに応えたかった」。

長岡との2回戦(10○7)は先発落ち。2番手の捕手として途中出場した。「悔しさより、出たら勝利に貢献したい」と前向きな姿勢で、この日は5打数3安打の活躍だ。18年夏は1年生ながら背番号20をつけて登録メンバー入り。当時の1年生メンバーは稲川壮遊撃手(3年)と2人だけだった。「3年生たちの勇姿を(ベンチから)見た。自分たちが3年になったら、しっかり勝とうと話し合った」。稲川との誓いも岡部は大事な場面で果たした。【涌井幹雄】