室蘭、函館、小樽、十勝で26日、代表決定戦が行われ、南北北海道大会各16代表が出そろった。

最速146キロ右腕、駒大苫小牧エース北嶋洸太(3年)は北海道大谷室蘭に被安打2、14奪三振で完封した。南大会は8月3日に札幌円山、北大会は同5日に旭川スタルヒンで開幕する。

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雄たけびを上げ三振の山を築いていった。北嶋が走者を背負ったのは、初回の四球と右翼線二塁打、3回の中前打の3度。打者28人で27アウトを取った。9回最後の打者には、この日最速タイの145キロを3球連続で記録。苫小牧中央・根本同様に3者連続三振で締めると、「オリャー」と喜びを爆発させた。「(根本は)まったく意識はしていなかった。最後はしっかり試合を決めに行った。自然と声が出た」。闘志むき出しの投球で、南大会切符をたぐり寄せた。

昨春は2年生エースとして全道制覇。決勝の苫小牧工戦では無四球完封で優勝投手になったが、夏は南大会準決勝北照戦で15安打を浴び6失点敗退。昨秋も地区代表決定戦で鵡川に敗れ、一度も甲子園にはたどりつけなかった。

勝負をかけた最後の夏の聖地もなくなった。「甲子園はなくても残せるものがある。この大会で最後まで勝ち、駒大苫小牧の歴史に新たな1ページを加える」。特別な夏、再び円山に戻り勝ち続けることで、道内ナンバー腕の称号を奪い返す。【永野高輔】

▽北海道大谷室蘭・坂本亘監督(50)「(エースの)吉安は、しっかり頑張って投げてくれていた。好投手からは、そう簡単に点は取れない。(駒大苫小牧・北嶋)対策はしてきたが、それを超えていた」

▽北海道大谷室蘭・吉安柊斗投手(3年=9回142球を投げ2失点完投)「6月の練習試合では6回で2失点だった。力のある相手に9回まで投げられた。悔いはないし、このチームで野球ができて良かった」