大森学園(東東京)のエース工藤翔午投手(3年)が力投した。第4シードの錦城学園を相手に被安打4の1失点完投。自信を持つ最速138キロの速球を中心にチェンジアップを交えてつけいるスキを与えなかった。「1回に1点を先行されたけど、去年の悔しさがあった。腕を振って最後まで投げようと思った」と完投を振り返った。

昨夏の5回戦、工藤は甲子園経験を持つ修徳相手に1点リードのまま、9回2死まで追い込んだ。ところが、そこから4連打を浴びサヨナラ負けした。「悔しかった。あの後はとにかく走り込みました」。下半身を強化したことで、球のキレが増し、スタミナもついた。

最後の夏にはもう1つ、負けられない理由がある。今大会限りで和泉隆監督(51)が勇退することだ。工藤は「監督さんを東京一にしたいです」と言い切った。3回戦の舞台は昨夏、修徳にしてやられた神宮だ。