大分は決勝が行われ、津久見が2-1で初Vを狙った大分舞鶴を下し32年ぶりに大分大会を制した。

林田夢大投手(2年)が8回6安打1失点で試合をつくり、エース安部誠也投手(3年)が最終回を無失点で締め、古豪復活に導いた。

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32年ぶりに古豪が復活した。9回に抑えで救援のエース安部は、相手最終打者を渾身(こんしん)の直球で空振り三振に打ち取ると右手でガッツポーズ。午後5時からの試合のため、照明が灯される中で高らかに校歌を歌った。

1回1点ずつ取り合い、緊迫した展開になった。だが先発の林田はこの日最速141キロの直球を軸に2回以降立ち直った。8回1失点の力投に「古豪復活のプレッシャーはあったが、自分たちの野球をするだけだった。やれば(来夏も)連覇できると思うので頑張りたい」と声を弾ませた。

勝ち進むにつれ、強豪時代の津久見を知る年配のオールドファンの応援が増加していったという。「古豪復活頼むぞ」と激励されて気合も入っていた。エース安部も「林田が頑張った。短いイニングで失点できなかった」と、先輩の意地を見せた。

これまで春夏通算18度の甲子園出場を誇り、67年センバツと72年夏に全国制覇を果たしたが、今夏はノーシードからの挑戦だった。1回戦で、昨夏2回戦で敗れた藤蔭の3連覇を阻止。さらに準々決勝では、甲子園の交流試合に出場するプロ注目の川瀬堅斗投手(3年)擁す大分商を下した日本文理大付も撃破し、勢いが加速した。甲子園にはつながらないが、ヤクルト、中日で活躍した川崎憲次郎投手を擁して優勝した88年以来、大分の夏王者を勝ち取った。【菊川光一】