プロ注目の最速141キロ左腕、西脇工(兵庫)の東田健臣(とうだ・けんしん)投手(3年)が、2試合連続の完封勝利を挙げた。延長11回で、奪三振は初戦の13を上回る15を数えた。

昨夏の県大会3回戦で敗れた洲本が相手。東田は「ロースコアになると思った」と投手戦を覚悟していた。初回1死一、二塁で4番打者を三ゴロ併殺に仕留めると、2回から9回まで「狙っていない」ものの毎回の奪三振ショーだ。4者連続、5者連続を含めて15個の「K」を並べていった。

洲本のエース高田寛人投手(3年)と両者無失点で譲らず、無死一、二塁で始まる延長タイブレークに突入。東田は10回裏1死満塁のピンチを迎え、1番打者に右翼への飛球を許した。しかし、捕球した藤本陸外野手(3年)が本塁へ好返球してタッチアップした三走をアウトに。11回に打線が2点を奪うと、その裏にに再び招いた無死満塁のピンチを右飛、遊ゴロ併殺でしのぎ切った。

サヨナラ負けの危機を2度乗り越えた左腕は「野手に助けられた。(昨夏は)自分が先発して負けたので洲本だけには負けたくなかった」と汗を拭った。2試合で20イニング無失点、28奪三振。「大きな人には負けたくない」。174センチの体をしならせ、東田の夏は続く。