高速テンポで料理した。東海大相模・石田隼都投手(2年)は今大会初登板、初先発。「テンポを速くして、守備の時間を短く。流れを持って来よう」と意識した。

捕手からボールを返球されると、首を振ることなく、振りかぶって投げ始める。最短1秒5ほど。ポンポンポンと、とにかく速い。まるでキャッチボールのようだった。球審がカウント確認でジェスチャーを出した際、投球モーションに入る直前という場面も。10球で3者凡退に仕留めた4回は、わずか2分10秒で守り終えた。伸びのある真っすぐを軸に“2分クッキング”。相模原の4番浜口は2三振を喫し「テンポが速いという情報は入ってましたが、どうしても相手のペースに持っていかれました」と認めるしかなかった。

石田の狙い通り、打線の爆発を呼んだ。初回から5回まで毎回の計9得点。石田は6回先頭を打ち取って降板した。3安打無失点に「高校に入ってからテンポは意識してますが、最近はさらに速くしてます」と胸を張った。先発を伝えられたのは、この日のアップ直前。緊張はなかった。前日のメンバー発表で背番号「1」を渡され、自分がやるもんだと思っていた。だから「よし、来た!」と意気込んで臨んだ。9番打者としても2安打1打点。投打に活躍した。