智弁和歌山は、4人の投手陣が13安打8失点と打ち込まれた。

今秋ドラフト候補の智弁和歌山・小林樹斗投手(3年)は7点を追う6回裏から4番手で登板。自己最速に1キロ迫る151キロをマークするなど、3回2安打3奪三振で無失点だった。「すべて出し切ろうと思った。負けたけど、出し切れたかなと思います」。日焼けした顔ですがすがしく振り返った。

6回1死二塁から相手5番打者への2球目に151キロ。ギアを加速させ、8回2死では、相手4番の初球に150キロを記録。カウント2-2からは再び151キロ直球で空振り三振を奪った。「まっすぐで三振を取ることをイメージしていた。イメージ通りに打ち取れたと思います」。代名詞の直球を、最後の甲子園でいかんなく発揮した。

中谷仁監督(41)は「(相手打線は)火がつくと抑えるのが難しい中で、よく抑えた。成長したところ。以前はスピードガンで勝負していたというか、スピードを気にしていたけど、今は0で抑えることに徹している」と劣勢の中で登板した小林をたたえた。この日も直球で押し切ることなく、フォークなど変化球も交えた。持ち味をより生かす術を身につけたエースの姿があった。

プロ志望も口にしてきたが、進路について小林は「大学も視野に入れて話し合って決めたいと思います」と話した。