鹿島学園が延長11回までもつれた熱戦を制し、初めての優勝を果たした。鈴木博識監督(70)はインタビューで涙を流し「夢みたいです」と勝利を喜んだ。

野球はツーアウトから。その言葉を体現した。11回2死走者なしから1番の羽鳥颯外野手(1年)が右前打で出塁すると、背番号20の船田琉斗内野手(1年)が打席に向かう。「後ろにも良い打者がいるんでつなごうと思ってました」。外角低めの変化球をすくい上げ打球は左中間へ。「落ちろ!」という船田の願いが通じたのか、打球は野手の間にポトリ。その間に羽鳥が一塁から快足を飛ばしてホームイン。劇的なサヨナラで初優勝を決めた。

日大監督時代に村田修一(現巨人2軍野手総合コーチ)や長野久義(現広島)を育てた鈴木監督は涙を流して勝利を喜んだ。就任5年目にして初めてつかんだ優勝に感情を抑えきれなかった。

この勝利で24日から行われる関東大会にも弾みがついた。同大会の結果によってはセンバツ出場の可能性も見えてくる。鈴木監督は「もうみんなの前に甲子園がぶら下がってるよ。それでも無欲で、勝利をたぐり寄せたいね」と笑顔で意気込んだ。