北海が知内を6-0で下し、準優勝した14年以来6年ぶりの決勝に進出した。旭川実は武修館を10-1の7回コールドで下し、17年以来3年ぶりの決勝進出。11日の決勝は札幌円山で、北海が10年ぶり、旭川実が初優勝をかけ対戦する。

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破壊力抜群の打線で旭川実が3年ぶりに秋頂点への挑戦権を獲得した。けん引役は3番小池響中堅手(2年)だ。初回1死一塁での右中間を破る先制適時二塁打を含む4打数4安打5打点。名前の通り球場に壮快な打球音を響かせ続けた背番号8は「1年生が投げていたので早く楽にさせたかった。今日はしっかり打てた」。先発した1年生右腕、佐々木聖和への思いが大量得点につながった。

2桁安打は地区から7戦連続。最速147キロ右腕の田中楓基(2年)は完投した白樺学園との初戦以来の登板で、7回1死から打者2人で終わらせた。エースを温存させながら、打線の力で決勝に勝ち上がった。小池は「ライバルでも調子の良い打者には好調の理由を聞いている」。全道大会中にスイング時に前掛かりになる癖を修正。チームメート間で助言や指摘ができる関係性を築けていることを好調の要因に挙げた。

その土壌を生み出したのが今秋就任の岡本大輔監督(47)だ。試合前のベンチには広島弁が飛び交う。「やねこい(広島の方言=難しい)試合になるけど、勝っておいしい飯たべるけぇ」。広島県出身の指揮官が独特のイントネーションで訓示するのが恒例となり、チームでも流行。3安打4打点の河原康太郎主将(2年)が技術以上に「僕らの強さは一体感」と自信を見せる。

センバツは2度出場も秋全道は17年の準優勝が最高。小池は「岡本監督からは甲子園は楽しいところだと聞いている。守備からリズムをつくって、北海を打ち崩したい」。一枚岩となり全道覇者の称号を引き寄せる。【浅水友輝】

▽旭川実・岡本監督(今秋8年ぶりに復帰し全道優勝に王手)「私たちはチャレンジャー。明日は子どもたちの力を発揮できるようにしてあげたい」