プロ野球ドラフト会議(26日)に向けた志望届の提出が、12日に締め切られた。静岡県内からは高校生5人、大学生1人の計6人が、さまざまな思いを抱きながら届を出した。オイスカ高の鈴木祥汰内野手(3年)は、独立リーグ入りを目指して練習を継続する。

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オイスカ高の鈴木は、他選手と違った形でプロ志望届提出に踏み切った。元々は社会人野球でのプレーを希望していたが、コロナ禍による採用枠の減少で断念。母子家庭のため進学の意思はなく、高校卒業後は就職が既定路線だった。

だが、今夏の県独自大会で1回戦敗退し、不完全燃焼に終わったことから「このまま野球を辞めたら、一生後悔すると思った」。同校の永井浩二監督(49)と相談した上で、独立リーグへの挑戦を決意。就職を望んだ母やよいさん(41)とは「期限は4年」と約束。独立球界と接触する際に必要となるため、先月23日にプロ志望届を提出した。

今後は、BCリーグや四国アイランドリーグplusなどのトライアウトを経て、各リーグのドラフトに臨むことになる。それに備え、9月に捕手から三塁手へ転向して練習を行っている。打撃については「これまで逆方向への強い打球を意識してやってきたので、広角の長打力が持ち味です」と自信を持っている。

最終目標は、プロ入りだ。そのためにも、独立リーグでの成長を期す。「独立は、(大リーグでもプレーした)西岡(剛)さんや川崎(宗則)さんもいるのでレベルは高い。その中でも遜色なくできるようになりたいです」。自身の未来を切り開くため、厳しい環境に身を投じていく。【河合萌彦】

◆鈴木祥汰(すずき・しょうた)2002年(平14)4月18日、静岡市生まれ。小学生時代は長田東ソフトボール少年団に所属し、服織(はとり)中入学後に野球を始めた。オイスカ高では1年春からレギュラー。長打力を武器に昨夏の県大会で8強入りに貢献した。右投げ左打ち。171センチ、78キロ。血液型O。家族は母と兄。