日大三の背番号10左腕・宇山翼投手(2年)が2安打完封で、2年連続の8強進出を果たした。帝京の投手陣から6回で10点を奪った強力小山台打線を沈黙させた。

2500人の観衆がつめかけ、立ち見客や外野で観戦する人も多く見受けられた一戦。勝利の裏には名将の声掛けがあった。9回表、2四死球で2死一、二塁。対するは前の試合で帝京から本塁打を放った小山台4番・森村輝捕手(2年)。長打が出れば逆転という場面で、ベンチの小倉全由監督(63)から「しっかり軸足に乗って投げろ!」と声が飛んだ。

宇山はマウンドからベンチを見てうなずくと、言葉どおり軸足に体重を乗せ腕を振った。低めに落ちるチェンジアップにバットが空を切り試合終了。公式戦2度目の完封勝利を達成した左腕は雄たけびを上げて勝利を喜んだ。

「無我夢中でした。あまり覚えてないですがとにかくうれしかった」と目尻を下げた。

小倉監督も「宇山が本当によくやった。8回までの投球とは全然違った。9回はどうしても意識しちゃう。4番の一番良い打者ですから。それでも最後のチェンジアップは良かった」と好投した左腕をたたえた。

次戦は日大豊山に決定した。17年以来3年ぶりの秋優勝、そしてセンバツへ、まずは日大の付属校対決での勝利を目指す。