宮城から世界一の投手へ! 高校女子硬式野球のクラーク仙台(宮城)1期生で、最速125キロ右腕・小野寺佳奈(3年)が女子硬式野球クラブチームのエイジェック(栃木県小山市)に入団することが17日までに分かった。

剛速球を武器に、社会人でも真っ向勝負で挑む。小野寺はエースとして昨年は2度の全国準Vに貢献し、集大成の今年はコロナ禍で全国選手権などが中止に追い込まれたが、10月に行われた選手権代替大会で悲願の優勝に導いた。進路では大学進学などを考えることもあったが、入部の決め手に「技術はもちろん、投手で対戦した時にどこへ投げても打たれるような圧が強かった。レベルの高いところで自分の力を発揮したい」と決断。また昨年まで同校の指導に携わった元楽天コーチの広橋公寿氏(63)が、今季から監督に就任したことも背中を押した。

エイジェックは18年創部と若いチームだが、昨年は関東連盟所属チームで行われるKWBFクラブ選手権優勝。今年は2人の女子プロ野球経験者が入団し、全日本クラブ選手権準優勝に輝くなど、一目置かれる存在だ。クラークで小野寺を指導した元楽天投手の石田隆司コーチ(31)は「僕が指導しているうちに彼女は135キロを投げたいと言っていた。エイジェックでは135キロを超えられる投手になってほしい」とレベルアップを願った。

色紙に記した目標は「日本代表のエース」。2年秋には18歳以下の高校生で構成されたU-18女子日本代表(マドンナジャパン)に選出され、アジアカップ2連覇に貢献した。小野寺は「もう1度、日本代表のユニホームを着て、エースとして世界一になりたい」。夢の実現へ、関東の強豪からさらなる飛躍を遂げてゆく。【相沢孔志】

◆小野寺佳奈(おのでら・かな)2002年(平14)5月12日生まれ、仙台市出身。松ケ浜小2年時に七ケ浜パイレーツで野球を始める。七ケ浜中3年時に女子軟式野球クラブチームの宮城デイジーズで全国選手権優勝。クラーク仙台では2年時の全国選抜と全国ユースで準優勝。身長160センチ。右投げ右打ち。家族は両親、兄、妹2人。目標の選手はエンゼルス大谷。