龍谷大平安のエース右腕・石田琉稀(りゅうき)投手(2年)が炎上して決め球を覚える決心をした。

ダブルヘッダーの1試合目に先発し、報徳学園打線に3本塁打を含む16安打と打ち込まれ7失点。それでも7回2/3まで投げ続けた。「僕には空振りを取れる決め球がない。スライダーのスピードを上げたい」。強力打線のおかげで冬の課題が明確に見えた。

1年秋に外野手として一時レギュラーを獲得するなど、左打ちの野手として力を発揮してきた。だが、投手陣が手薄だったため今秋の京都府大会の途中、原田英彦監督(60)から投手転向を命じられた。石田は「中学まで投手だったので、やりたかった」と喜んでチャンスをつかみ、近畿大会では背番号1をつけ、2試合とも先発を任された。

顔が漫画「サザエさん」に登場するカツオに似ていることから原田監督から「カツオ君」と命名された。この日、打たれても続投させた原田監督は「いい勉強になった。打たれて覚える。だんだんと球の角度もついてきた。あとは腕が振れるようになれば」と大きな期待を寄せた。

近畿大会8強の龍谷大平安は来春センバツに選ばれる可能性もある。最速132キロの石田は「体を鍛えて、この冬で140キロは越えたい」と誓った。これから始まる厳しい冬のトレーニングも、センバツや夏勝ち抜いての甲子園のマウンドを目標に乗り越えていく。【石橋隆雄】