日本高野連は11日、第93回選抜高校野球大会(来年3月19日開幕、甲子園)の「21世紀枠」の各地区候補9校を発表し、近畿地区からは東播磨(兵庫)が選ばれた。来年1月29日の選考委員会で同枠代表の3校(東日本1、西日本1、地域関係なし)が選出される。

同校OBの福村順一監督(48)は足を武器とした機動力野球で、前任の加古川北時代に2度の甲子園を経験。11年のセンバツでは8強に導いた名指揮官は「身の引き締まる思い。責任感というか感謝の気持ちが大きい。選手たちにはセンバツに出るつもりでやろうと話しています」と同校初の甲子園出場へ、1歩目をかみしめた。

今秋の県大会で準優勝し、近畿大会に初出場。初戦で敗れたが、好投手を擁し同大会で4強入りした市和歌山に1-2と善戦した。文武両道の進学校ゆえ、週2日は7時間授業があり、平日の練習時間は平均2時間。グラウンドは左翼にサッカー部、右翼に陸上部と他3つの部と併用する。日常的に使用できるのは内野ほどの範囲で、フリー打撃が出来るのは朝練の時間帯のみ。限られた環境下で、テニスボールやシャトルなどを用いた工夫をこらした練習も行っており、環境を跳ね返す成果を残した。

ナインはこの日は期末テスト期間中。午前中に2教科のテストをこなし結果を待っていた。原正宗主将(2年)は「選ばれる気持ちでいた。そわそわするよりは、甲子園に行くつもりでいたので不安はなかったです。甲子園に出て1勝できるレベルの野球をしないと。これまで以上に練習の意図を感じながらやっていきたい」。夢舞台へ向け、鍛錬を積む。

東播磨 1974年(昭49)創立の文武両道の公立校。野球部も同年創部。部員数36名。過去、甲子園出場はなし。演劇部や放送部などが盛んで全国大会優勝実績がある。主な卒業生に、タレントのスパイシー八木、『SASUKE』オールスターズの山田勝己は野球部OB。所在地は兵庫県加古郡稲美町中一色594-2。