日本プロ野球選手会と日本野球機構(NPB)による事務折衝が27日、都内で行われ、選手会が要望していたフリーエージェント(FA)制度における「人的補償(協約上の名称は選手による補償)」の撤廃について議論した。加藤事務局次長は交渉後、「人的補償を廃止する方向というところは、はっきりとNPB側から聞きました。人的補償があることで獲得に動きづらいという話は球団側からも聞いたことがあるので、1歩前進だと思っている」と話した。
代替案については、次回7月3日の事務折衝でNPB側から提案されるという。「それがどういうものかにもよる。FA選手にとって移籍の障害、ハードルになるような設定はしてもらいたくない」と語った。本年度中の合意を目指して議論を加速させる方針で、ドラフト会議での「特別指名枠」導入を含め、さまざまな代替案を検討中。
この日の折衝では、FA制度以外にも多岐にわたる議題について話し合われた。審判員制度の改革についても協議され、加藤事務局次長は「かなり前向きに動いてもらっている印象」と言及した。「細かいところは詰める必要があるが、審判の方々の間で競争が生まれ、きちんと評価されてその対価(収入)がもらえるような評価システムの再構築を改めてお願いした」とした。
MLBで導入されているロボット審判(ABS)のチャレンジシステムについては、「選手会として要望したわけではないが、ポジティブに捉えている選手は多い。地方球場での開催など日本固有の課題はあるが、選手は肯定的に捉えると思う」と、今後の選手たちの声次第で要望に動く可能性を示唆した。
また、捕手と投手がサインを交換する電子機器「ピッチコム」について、NPB側から来季の導入に向けて前向きに準備、検討を進めていることが明かされた。「導入されれば来季の1軍で12球団一斉スタートになるだろう」との見通しを勝った。選手会側は「来季からやるのであれば、今年の秋のフェニックス・リーグなどから実戦を試せる状況にしてほしい」と早期のテスト導入を要望した。なお、投球時間の制限ルール「ピッチクロック」についてはこの日は議論されず、夏の選手会臨時大会で協議するとした。



