宮城が史上2度目のアベック選出に沸いた。日本高野連は29日、リモートで選考委員会を開き、第93回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)に出場する32校を選出。東北勢では一般枠2校を宮城勢が占めた。昨秋東北王者の仙台育英が2年連続14度目、同準Vの柴田は創部35年目で春夏通じて甲子園初出場。同県からセンバツ2校選出は01年の仙台育英、東北以来、20年ぶり2度目となる。21世紀枠では、八戸西(青森)が初出場を決めた。組み合わせ抽選会は2月23日にオンラインで行われる。

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東北王者の仙台育英は午後3時40分過ぎ、遠藤和秀教頭が吉報を伝える電話を受け取った。室内練習場では部員62人がマスクをし、新型コロナウイルス対策で間隔を取って待機。選出の報告を受けるとナインは静かに喜びをかみしめた。

東北NO・1の誇りを胸に、甲子園でもV候補の1つに挙がる。昨秋公式戦は9試合で82得点。東北大会は4戦で37得点3失点と圧倒し、創部90年で初の秋連覇を飾った。チーム打率3割7分の攻撃力に加え、1年夏に甲子園を経験した最速147キロのエース右腕・伊藤樹(2年)ら140キロ超の投手6人を擁す。須江航監督(37)は「全出場校の中でも上位の力はある」と、投打とも充実の戦力に期待を寄せた。

昨夏は県独自大会でも優勝したが、平時なら出場できたはずの甲子園はコロナ禍で春夏とも中止となった。主将の島貫丞外野手(2年)は「先輩方の思いを背負って戦うことが大事」と誓う。開幕直前の3月11日には、東日本大震災から節目の10年を迎える。須江監督は「さまざまな思いが乗る年だからこそ、東北地方の悲願である日本一を達成したい」と闘志を燃やした。【相沢孔志】