エースの熱投も勝利には届かず。北海は開幕試合で神戸国際大付(兵庫)に延長戦の末、2-3でサヨナラ負けし、11年以来10年ぶりの春1勝はならなかった。エース木村大成(3年)が自己最速タイの145キロをマークするなど好投も、2-1の9回にバッテリーミスで追いつかれ、延長10回に決勝点を許した。17年夏初戦で対戦した相手に雪辱ならず、大正、昭和、平成、令和の4元号甲子園勝利は、夏に持ち越しとなった。

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プロ注目の北海の左腕エース木村が、146球の熱投も開幕戦で散った。1回に、いきなり自己最速タイの145キロをマーク。4回まで無安打無失点と好投も、1点リードの9回1死一、三塁で、相手スクイズを外した球がバッテリーミスとなり、球がこぼれた間に三走が生還(記録は盗塁)。土壇場で同点を許すと、延長10回1死満塁でサヨナラ打を浴び、力尽きた。

「前半はスライダーを思ったところに投げられていたが、徐々に狙ったところにいかなくなった。真っすぐを多めにしたところで、甘い球を打たれてしまった」。創部120周年を勝利で飾ることはできなかったが、まだ夏がある。初の全国舞台で、9回1/3を11安打8奪三振の3失点。負け投手となったが、中盤までの力強い投球、そして躍動感あるフォームは数字以上のインパクトを残した。自慢の武器に磨きをかけ、夏、聖地に帰って来る。【永野高輔】

日本ハム大渕スカウト部長(北海の木村に)「スライダーは切れが良く大きくて鋭い。高校生じゃ、そういう投手は見たことがないでしょう。なかなか打てない」