2年ぶり開催となる全国高校女子硬式野球選抜大会(27日開幕、埼玉・加須きずなスタジアムほか)に、道内から2チームが出場する。昨春発足した駒大苫小牧は、昨夏の全国高校女子選手権がコロナ禍で中止となり、今大会が初の公式戦となる。

駒大苫小牧が待ちに待った公式戦に臨む。昨春にチーム発足も、夏の全国大会は中止。約8カ月遅れの初陣だ。主将の藤井華子(かこ)内野手(1年)は東京・江東第二南砂中3年時に全国大会経験も初戦敗退。日本一を目指し親元を離れ北海道にやって来た。「ようやく自分たちの力を発揮できる。結果を出して、東京の両親に、いい報告をしたい」と気を引き締めた。

昨年、公式戦がない中、道内の中学男子チームなどと対外試合約30試合を消化。実戦の中から特に守備、走塁面を徹底して磨き上げてきた。少ないチャンスでスキをつき次の塁を陥れる。04年夏に男子部の副部長、05年に部長として夏の甲子園連覇に尽力した茶木圭介監督(43)は「男子と通じるところ。そこはうるさく言ってきた」。今や全国区となった胸に「駒澤」と入った男子部同様のユニホームで、高校女子硬式野球界に新風を吹かせる。

女子野球はプロなど他団体との接触が自由。その利点を生かし、昨年は多くの交流を行った。夏には、侍ジャパン大学代表の生田勉監督(54)がチームを訪れ講習。12月には、OBで日本ハムドラフト1位の伊藤大海投手(23)が同校で調整した際、投手陣を中心に指導した。右腕の柴田涼投手(1年)は「ウオーミングアップや、体の開きを改善する方法を学んだ。プロ野球も開幕が近い。私たちも伊藤先輩に負けず、頑張りたい」と意気込んだ。

茶木監督は選手たちに「美心」という言葉を伝え続ける。その意味について藤井は「心の乱れがプレーの乱れになる。そのためには仲良し集団ではだめ。互いに気付いたことを指摘し合えないと」。男子部同様に切磋琢磨(せっさたくま)し合いながら鍛えた成果を、全国舞台で披露する。【永野高輔】