天理(奈良)が快勝し、97年以来24年ぶりのベスト4に進んだ。

先発した達孝太投手(3年)は立ち上がりから制球に苦しみ、2回までに5四死球。得点圏に走者を背負いながらも決定打は許さなかったが、2点リードの3回、仙台育英の八巻真也外野手(3年)に右翼ポール際にソロ本塁打を浴びるなど2点を失った。その後も走者を出すも、打線の大量援護もあり、粘り強く要所を締めて8回を8安打3失点(自責2)。一方で8四死球を与えるなど、球数は164球を要した。

打線は、4番の瀬千皓外野手(3年)が3安打3打点の活躍をみせるなど、9安打で10得点を奪い、本調子ではなかった達を力強く援護した。

天理の中村良二監督(52)は「達の調子がよくないところで、4回にうまくランナーをためて、効率よく4点、(5回に)2点、(6回に)2点と。投手に頼ってばかりの試合をしてきたが、打線が奮起して投手を助ける形で勝利できた。褒めてあげたいですね」と打線の援護をたたえた。

打線をけん引した瀬は「達も本調子じゃなったので、こういう時こそ野手でカバーしようと思っていたのでよかった」と振り返った。

◆元プロ監督の4強 天理・中村良二監督は近鉄、阪神でプレーした。同監督は17年夏にも4強入りしたが、春に元プロの監督が4強入りは87年の蔦文也監督(池田=元東急)以来。

◆奈良県勢の春4強 55年高田、77年智弁学園、92年天理、97年天理、16年智弁学園に次いで6度目。決勝に進んだ97年天理、16年智弁学園はともにV。

◆神奈川対奈良 準決勝で東海大相模と天理が対戦。過去は神奈川県勢が奈良県勢に対し春夏通算11勝1敗。両校は92年春の準決勝で対戦しており、東海大相模が3-2で勝っている。