北星学園大付が札幌新川に競り勝ち、初戦突破した。先発のエース左腕中村海斗(3年)が、9回3安打6奪三振1失点で完投勝利を挙げ「まずは1つ勝てて良かった」と喜んだ。

2回の投球中に鼻血が出て、5分間治療。3回までは右の鼻の穴に綿球を詰めながら投げ続けた。3回の攻撃では先頭打者として左前打を放ち、二盗も成功。「投げたり走ったりするとき、ちょっと呼吸しづらかったが、やるしかないと必死だった」と振り返った。

治療中はベンチでチームメートから「頭に血が上っているんじゃないか」と指摘されたと言う。2回に自身の野選などで1失点も、鼻血の治療を終えた3回以降は落ち着きを取り戻し、2安打無失点。「序盤はバタバタしてしまったが、鼻血が出た後から、冷静に投げることができた」。4回以降は綿球も外し、9回まで好投を続けた。

0-1の6回2死一塁で左中間に逆転2ランを放った4番富沢愛斗左翼手(3年)は「公式戦では初めての本塁打。中村が鼻血を出して焦っていたので、何とか打って援護してあげたかった」。思わぬ鼻血がきっかけで、投打の柱にスイッチが入った。