3年ぶり出場の関東学園大付(群馬1位)が粘る常磐大高(茨城2位)を振り切り、準々決勝進出を決めた。

2年生がチームをけん引した。吉田壮汰内野手(2年)は2回、先制の口火を切る中前打。3回には1死二塁からインコースの真っすぐを捉え、左越え本塁打。2安打2打点の活躍でチームに勢いをつけた。吉田は「先輩たちの足を引っ張らないようにと考えていた。うれしいです」と初めてのインタビューに、緊張した表情で振り返った。

悔しさを成長に変えた。県大会では積極的に打ちにいけず、チャンスを生かすことができなかった。今大会は「打ちにいって、ボールに合わせる意識で打つ」と打席に立つと、来た球に体が反応。しっかり捉えることができるようになった。「いつも通りやれば、打てる。今日は自信がつきました」とホッとした表情を見せた。羽鳥達郎監督(32)は「吉田は走攻守、バランスがいい。しっかりと勝負ができる子です」と、成長に目を細めた。

この試合、羽鳥監督には特別な思いがあった。常磐大高の前田太一部長(33)は北本市立東中時代、バッテリーを組んだ同級生。お互いに指導者の道を歩み、現在も道に迷ったときは必ず相談する親友だ。年末年始には酒を交わし、思い出話に花を咲かすのが1年の楽しみだ。指導者として公式戦で対戦するのは初めてで、羽鳥監督は「僕にとっては大事な仲間。こうして対戦できてすごく幸せ。素直にうれしいですね」と笑顔だった。

試合後は握手を交わし、次戦に向け激励を受けた羽鳥監督は「この時期、公式戦を経験できるのは貴重。夏を見据えてしっかり戦っていく」と親友に固く誓った。