聖光学院が2大会ぶりに春の福島を制した。

聖光学院打線が目覚めた。1回無死二、三塁。3番坂本寅泰(ともやす)外野手(3年)が、直球をジャストミート。左翼芝生席へ豪快な先制3ランをかっ飛ばした。3回は4番栗城大河外野手(3年)の右越えソロで追加点。続く5番今井龍空内野手(3年)が三塁打でチャンスメークし、芳賀慎之介内野手(3年)がきっちり左犠飛を放ち、さらに加点した。4回には、打者一巡の猛攻で長短7安打を集めて、一挙7得点を奪った。12-7の9回には坂本の中前適時打でダメ押しした。前戦22日の磐城との準決勝では散発4安打1得点に終わり、試合後に斎藤智也監督(57)は「今、打線は当たらないですね。梅雨入りしたんでしょうかね」という不安も、17安打13得点で杞憂(きゆう)に終わった。

投げては3人の投手リレーで逃げ切った。先発した背番号18の中拓翔投手(3年)が5回を9安打5失点の内容。130キロ台の直球に変化球を織り交ぜながら、立ち上がりから3回までは1安打無失点に抑えた。6回から2番手で登板した松本錬投手(3年)は1回2安打1失点。3番手の2年生右腕、佐山未來は先頭に本塁打を浴びるも、以降は1安打投球で3回を無失点。バックも無失策でもり立てるなど、チーム全員でつかんだ優勝だった。

昨秋は県大会2回戦で、東日本国際大昌平に6-7で競り負け、涙を流した。悔しさを胸に一冬を越え、ナインは一回り成長した。夏は戦後最長の地方大会14連覇中。前人未到の15連覇へ大きな弾みをつけた。