花巻東は、佐藤史弥外野手(3年)が延長12回、中越えに決勝適時打。4ー3のサヨナラ勝ちで久慈を下し、春3連覇に王手をかけた。

盛岡大付は初回、新井流星内野手(3年)の2ランで先制。9回に4点を挙げた花巻南の猛追を振り切り6ー4で勝利。昨年の春の覇者・花巻東と秋の覇者・盛岡大付が夏の岩手県大会第1シードをかけ、25日に激突する。

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花巻東が延長12回の接戦を勝ち切った。

延長12回1死、4番田代旭捕手(2年)が中前安打で出塁。続く相野七音外野手(3年)が犠打で田代を得点圏へ進め、2死二塁。6番佐藤が、1ボールからの2球目、中堅手の頭上をはるかに越えるサヨナラ適時打で試合を決めた。13回から採用のタイブレークになれば、この試合3安打の相手4番大村を迎えるところだったが、野手陣が2番手菱川一輝投手(3年)の好投に報いる好打で決勝進出を決めた。

菱川は5回から継投し、12回まで8回を投げ切った。右手中指のけがで大会前はあまり投げ込めなかったが、6安打7奪三振1失点の好投。冬に力を入れた変化球と質にこだわった最速147キロの直球がうまくかみ合った。菱川は「9回に打たれてしまったが良い流れを持ってきてくれた野手に感謝したいです」と振り返ったが、自身の投球については「勝ち急いでしまった、自分の甘さが出ました」と反省した。そして、春3連覇に向け「中軸を打たせてもらっているので、明日は投打で活躍したいです」と決勝でも投げる意欲を示した。

3安打2打点と活躍した黒沢健太主将(3年)は、チームの特色を「投手陣が安定していて試合を作ってくれる、投手中心に守り勝つチームです」と語り、「打者陣が奮起して投手を楽にしてあげられるように頑張っていきたいです」と投手陣を援護する打撃を誓った。

チーム目標の「岩手から日本一」に向け、まずは春を勝ち切る。決勝で対戦する盛岡大付には、昨秋の県大会準決勝で7ー2と敗北している。春の王者が秋の王者へのリベンジに挑む。