最速151キロ右腕で今秋ドラフト候補の中京大中京・畔柳亨丞(くろやなぎ・きょうすけ)投手(3年)が東海大相模(神奈川)戦に先発し、復活の最速150キロを計測した。

今春のセンバツでは2完封と活躍した後、明豊(大分)との準決勝で右腕違和感を訴えて降板。12球団30人のスカウトが見守る前で、センバツ優勝校を相手に3回無安打無失点だった。東邦は東海大相模と引き分けた。

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野球ファンが胸をなで下ろすマウンドだった。センバツを右腕違和感でリタイアした畔柳が復活だ。1回、2死後に門馬功外野手(3年)と対戦。4球目、内寄り速球がズバッと決まる。「150」が表示され、場内がどよめいた。直後も150キロ。この1球を待っていた。

「センバツ優勝の東海大相模さんにどれだけストレートが通用するか試した。150という数字は自分の中で調子のバロメーターでストレートは今日は合格」

不安を消す力投だった。平均140キロ台後半の速球を連発し、カーブなども駆使。東海大相模の主力を圧倒し、3回無安打無失点の快投だ。高橋源一郎監督(41)も「結構、ボールで押せていた」と評したように剛腕ぶりは健在だ。4強で敗退したセンバツは2完封したが、4戦410球を投げ、右腕の異変を訴えていた。その後、約40日のノースロー期間を経て慎重に状態を上げ、これが3度目の実戦だった。

今秋のドラフト上位候補で、12球団30人のスカウトも胸のつかえが取れた。中日米村アマスカウトチーフは「三振も取れたし、強い球がいって一安心。投げてくれたことを確認できればいい」と話した。夏に向けて、大きな1歩を踏み出した。【酒井俊作】

▽広島松本スカウトの話 順調に回復している。強くて重さのある球で、気持ちを前に出して投げるタイプ。上位候補ですよね。

▽オリックス下山スカウトの話 しっかりスピンの利いた球を投げていた。空振りも取れますし、やっぱり魅力がある。順調に来ている。問題ない。

▽阪神筒井スカウトの話 能力はいいモノを持っている。こういう舞台でしっかり投げる。しっかりと投げられるのを確認できました。

▽ソフトバンク永井編成育成本部本部長兼スカウト部部長の話 心配してません。力んだ場面もありましたが力めるのは肘の不安がほぼないということ。故障明けでこれくらい見られたら十分。