初の単独出場も、勝利をつかむことはできなかった。幕別清陵・植津翔主将(3年)は、チーム唯一の3年生として5番投手で先発し、6回2/3で111球を投げ7安打8失点。「最後も決して疲れはなかったが、自分の球が甘かっただけです」と涙をこらえた。

19年に道立の幕別と私立の江陵が統合し誕生した道立の幕別清陵。創立と同時に野球部に入ったのは植津1人だった。昨年、4人の下級生が加わり今春は新1年生2人が入部。「後輩が増え、やる気が出た。最後の夏こそ単独でいきたかった」。春は更別農、士幌、大樹、広尾との5校連合に参加も、助っ人3人を誘い、今夏に総勢10人で夢をかなえた。

ユニホームの縦じまとソックスのオレンジは、江陵のデザインを基調としている。昨夏から今春までは引退した江陵の先輩たちに指導を受け、技術を磨いてきた。「勝って恩返しがしたかった」。先輩たちの汗を思い出した瞬間、涙があふれ出た。

1年時は毎日、羽田野圭介監督(39)とマンツーマンで練習。「先生には感謝しかありません。幕別清陵初の単独出場を果たしたことを誇りに思いたい」。これからは美容師を目指し、勉強に励む。【永野高輔】