履正社(大阪)が4日、大阪・茨木市内の同校グラウンドで高知と練習試合を行い、17日の大阪大会初戦・市岡戦に向けて「景気づけ」の大勝だ。

春の四国王者を相手に13安打9得点。ハイライトはドラフト候補の森木大智投手(3年)が登板した6回だ。1死一、二塁で、4番で主将の松林克真内野手(3年)が148キロ速球を強振し、左前にクリーンヒット。満塁になり、直後の投ゴロで加点した。

松林は「注目される投手は、なかなか高校生でいません。打てたのは自信になった」と胸を張った。8回も146キロを捉えて、再び左前へ。高校通算12本塁打の主軸は、4安打で打線の軸になった。昨秋の府大会は府立の山田に逆転負けし、センバツが消えた。春の府大会も4回戦で興国に敗退。貧打解消が課題の中、最速154キロの剛腕から得点を奪い、気勢が上がる1日になった。

それでも、岡田龍生監督(60)は厳しさを貫く。6点リードの8回、2死満塁の加点機で見逃しストライク2球で追い込まれると、打席途中で代打を送った。19年夏全国制覇の名将は「チャンスで1球目から振っていかなあかん。振らない選手は僕の野球と合わない」と言い切る。19年夏の甲子園は、史上初めて盗塁ゼロで優勝した。攻めて攻めて攻める。夏本番を前に、攻撃に大切な心をかき立てた。【酒井俊作】