今春九州大会準Vの九州国際大付は八幡南に7ー2で快勝した。最速137キロの左サイドスロー内山将投手(3年)が高校初完投。プロ注目の柳川大晟、山本大揮(ともに3年)の「ダブルエース」を温存し、“第3の男”で5年ぶりの聖地に向けた戦いを始めた。

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九州国際大付が誇る投手陣は最速152キロの柳川、145キロの山本だけじゃない-。左横手投げの内山が抜群の制球力で八幡南に立ちはだかった。

雨の影響で試合開始が午前10時から午後2時37分まで遅れた今夏の初戦。しかし「集中力を意識して切らさないようにした」と落ち着いていた。切れのある直球とチェンジアップ主体に押し、シュートも交えて翻弄(ほんろう)。6回に二塁打3本を浴び2失点したが、元プロの楠城徹監督(70)が「馬力がある」というスタミナを生かし、9回7安打2失点の高校初完投で3回戦に導いた。

おかげでプロ注目の山本、柳川を温存できた。内山は「夏は暑い。2人の負担を減らしたい」と言い、次戦に向けても「2人が後にいるので初回から全力でやっていきたい。2人と一緒に甲子園に行きたい」と声を弾ませた。1人の投手につき1週間500球以内の球数制限もある中、頼もしい“第3の男”が現れた。

元々は上手投げだった。しかし、今春の福岡大会前に楠城監督から横手投げを勧められた。転向したことで「コントロールや真っすぐの伸びや切れが良くなった」と台頭。4月の九州大会決勝の具志川商(沖縄)戦で先発を経験して「右打者の内角を攻めるようになり、そこから良くなってきた」と磨きをかけてきた。目標とする選手はソフトバンク和田で、さらに中継ぎとして活躍する左横手投げのソフトバンク嘉弥真の動画を参考にする。2枚看板との“3本の矢”で戦国福岡の頂点を奪う。【菊川光一】

◆内山将(うちやま・まさし)2004年(平16)3月27日、熊本市生まれ。野球は画図小の部活で4年から始める。3歳から小4まで水泳も習う。出水南中では熊本中央リトルシニアでプレー。九州国際大付では昨秋からベンチ入り。50メートル走6秒2。左投げ右打ち。172センチ、75キロ。