<高校野球岐阜大会:岐阜第一7-1加茂>◇1回戦◇10日◇大垣市北公園野球場

岐阜第一の二刀流、阪口楽(うた)投手(3年)が今夏初戦でまずは投手としてエンジン全開だ。

ドラフト候補目当てに8球団13人のスカウトが集まる中、「4番投手」で先発し、加茂打線を8回2安打1失点で料理。17奪三振と圧倒的なパフォーマンスをみせた。右腕は「暑さもあり序盤は浮き足だった部分があった」と言いつつ、初回を3者連続三振で滑り出し、毎回Kマークを重ねた。自己最速の143キロに4キロ及ばなかったが、テンポを重視。「制球重視で1球1球大事に投げた」と余力十分で9回のマウンドを譲った。

一方、打撃では左前へのポテン安打のみで3打数1安打1打点。阪口は「結果を求めるプレッシャーもあり引っ張りにかかってしまった。次戦へ向けて修正する」ときっぱり。それでもヤクルト中西スカウトは「打席での雰囲気が良かった。スイングもきれいで将来性がある」と評価した。

高校通算27本塁打。「目標は30本」と掲げるが、「まずは勝つための打撃を心掛ける。甲子園が一番の目標なので」と力を込める。目標の選手はエンゼルス大谷。「逆方向への打撃など参考にしている。映像を見るとモチベーションが上がる」。海の向こうで本塁打を量産する本家の活躍に刺激を受け、「岐阜の二刀流」が聖地に向けて投打で暴れまくる。【山崎健太】