今秋ドラフト候補で強打の捕手、県岐阜商の高木翔斗主将(3年)が2ランを含む2安打2打点の活躍で、チームの初戦突破に貢献した。

2回の第2打席。6-1とリードし、なおも1死二塁の場面で振り抜いた打球は風にも乗り、長良川球場の左中間フェンスを越え、高校通算18号に。「どしっと構えて、真っすぐを狙いました」と振り返った。

1点を先制されて迎えた1回の第1打席では悔しい思いをしていた。2死三塁の同点機に、初球の変化球を引っかけ遊ゴロ。「4番が打たないと、と思い、少し力んでしまった」。しかし、すぐに気持ちを切り替え、再び巡ってきたチャンスをモノにした。

プロの注目度も高く、この日も巨人、阪神など複数球団が視察に訪れた。阪神熊野スカウトは「打てる捕手として魅力を感じている。巨人の大城を右打ちにした感じ」と評価する。

今春のセンバツ1回戦では市和歌山・小園健太投手(3年)の前に完封負けを喫した。高木自身は1安打を放つも「変化球に対応できず縮こまってしまった」と悔しさをにじませる。春のリベンジへの思いも胸に、まずは岐阜の頂点へ突き進む。【山崎健太】

◆高木翔斗(たかぎ・しょうと)2003年(平15)8月12日、岐阜県不破郡垂井町生まれ。府中小1年から伊吹クラブで野球を始め、垂井北中では軟式の岐阜フェニックスに所属。3年夏に全国大会に出場。県岐阜商では1年春からベンチ入り。186センチ、90キロ。右投げ右打ち。

▽県岐阜商・鍛治舎巧監督「コロナ禍で実戦不足を補うため、ほぼ毎日紅白戦で感覚を養ってきた。今日も午前中に紅白戦をしてから会場入りした。高木は本塁打を打つ気がしていた。長良川とは相性がいいので」

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