エースの不在を2年生左腕が救った。春夏連続の甲子園出場を目指すセンバツ8強の福岡大大濠は、背番号11の森本光紀投手(2年)が、自身公式戦初の完封&完投。5四球と制球に苦しみながら要所を締め、4回戦進出へ導いた。

先発予定だったプロ注目の最速140キロのエース左腕・毛利海大(3年)は、前日11日に微熱を発症。新型コロナウイルス感染が心配されたが、抗原検査では陰性を示した。ただ、試合当日になっても熱は下がらず。八木啓伸監督(43)は、この日朝に急きょ2回戦で5回無失点と好投した森本を先発に抜てきした。森本は「『毛利さんが投げずにこの大会が終わったら…』って考えると、絶対に抑えないといけない気持ちがあった。毛利さんのためにも、次につなげるという気持ちで投げました」と、胸を張った。打っても2回に決勝の中前適時打を放つなど2安打で、存在感を出した。

八木監督も「非常にチームも助かった。彼自身も0に抑えたので自信にしてほしい」と、緊急先発で好投した森本をほめた。今夏の福岡大大濠には、頼もしい2年生がいる。【只松憲】