<高校野球東東京大会:実践学園8-1多摩大目黒>◇15日◇3回戦◇江戸川区球場

多摩大目黒のエース武田翔仁投手(3年)は立ち上がりを悔やんだ。「初回の四球は、自分でもよく分かりません。ストライクを入れようと、すればするほどボールになってしまって。ずるずるいってしまいました」と首をかしげた。先頭打者にストレートで四球を与え、そこから3点を失った。結局、6回1/3、8安打5四球5失点で敗れた。

真っすぐの球速は110キロ台だが、工夫で補ってきた。セットから、いったん上体をねじる。「ためを作るためです。普通に投げると、球威がないので。あとは、出所を分かりにくくするためです」と意図を説明した。トルネード投法は、父安仁さんと作り上げた。元高校球児の父からは「野茂さんのフォームをマネしろ」と教えられた。この日の試合前には「いつも通りに行きなさい」と背中を押された。大投手を参考に、親子でレベルアップを目指した。「いろいろ教わって、助けになりました」と感謝している。

かなわなかった8強の目標達成は、後輩たちに託す。ただ、1つ下の現2年生は1人しかいない。「2年生1人だけじゃつらいと思う。1年生みんなも合わせて、全員野球で目指してもらいたい」と願っていた。【古川真弥】