<高校野球神奈川大会:立花学園4-1金沢>◇15日◇2回戦◇大和スタジアム

キラッと輝く宇宙人!? 立花学園の最速150キロ右腕・永島田輝斗(ながしまだ・きらと)投手(3年)が、4回を2安打5奪三振無失点の好救援で勝利の立役者となった。2点を勝ち越した6回から2番手で登板し、持ち味の直球とカットボールを軸に力投。1年夏から投手転向し、今春公式戦デビューしたばかり。チームメートから「宇宙人」と呼ばれる好素材が、その名の通り、輝かしい夏デビューを飾った。

9回2死一塁、最後の打者を見逃し三振に仕留めた永島田が、ほっとした表情で整列へ向かった。「最後は気持ち良かったです。最初は緊張があって思ったような球が投げられなくて。変化球は良かったんですけど、真っすぐが次の試合の課題」と冷静に“夏デビュー”を振り返った。

直球はスカウトのスピードガンで144キロを計測。制球には苦しんだが、カットボールやフォークが低めに決まった。同校が19年から導入する測定機器「ラプソード」では、直球の回転数は2300回転をマークする。1年夏は2000回転ほどだったが、横の動きの意識と下半身を中心としたウエートトレーニングの成果で数値もアップ。プロ平均が2200回転前後といわれる指標で、高水準を示すまでになった。

冷静な表情で淡々と質問に答えながらも、どこかかみ合わない不思議な空気を醸し出す剛腕。チームメートからは「宇宙人」と呼ばれるが、中身は3人兄弟の真ん中で、真面目な努力家。向上心旺盛な野球小僧だ。

同校の過去最高成績は県8強。夢の甲子園、そして自らの目標とするプロへ、期待も高まるばかりだが「(高評価は)まだ自分には早い。この大会を通じて、もっともっといろんな人に知ってもらいたい。目標はまず神奈川で1位を取ることです」。インパクトのある名前を全国区へ-。神奈川から存在感を示し、さらにキラッと輝きを放っていく。【鈴木正章】

オリックス上村スカウト(立花学園・永島田を視察し)「体の強さがあるので、そこが一番いいところというか持ち味。いろんなものを試してやっているのが、試合の中でも見える」