春の県王者の浦和学院は、危なげなく5回コールドで4回戦進出を決めた。先発した吉田匠吾投手(3年)は内野手が本職。公式戦初先発で3回を被安打1の無失点、6奪三振と安定した投球だった。森士監督(57)は「落ち着いて、自分のピッチングをしてくれた。1戦1戦を重ねていく中で、どう発揮できるか」と今後の戦いを見据えた。

初回は、変則の相手投手をとらえられなかったが、2回に打者一巡の猛攻で一挙10点を奪った。1死二塁、八谷晟歩内野手(2年)の右前打で1点。四死球も絡み、2死から8者連続出塁をするなど一気にたたみ掛けた。

初戦の2回戦、聖望学園戦では緊張から硬さがあったが、吉田瑞樹主将(3年)は「2試合目で、少し緊張は取れた。軟投派の投手は予測していたので、練習していた」と話した。

“吉田バッテリー”が試合をつくった。吉田匠の球を受けた吉田瑞は「聖望学園戦から1球1球に気迫がこもっていた。直球がコースにきていて、直球で押せたのでよかった」と振り返った。

吉田匠も「直球の制球がよかった」と納得の投球だった。聖望学園に勝利後、森監督から「(試合の)入りが悪かった。技術より心の準備が大事」と指摘された。3回戦に臨む前は、心の中で自分の投球を整理。「宮城(誇南)や三奈木(亜星)とは違うので、自分のやるべきことは打たせて取ること」と意識していた。「今日は、いい緊張感を持って臨むことができました」と振り返った。