市和歌山の米田天翼(つばさ)投手(2年)がチームを8強に導いた。

夏の大会で初めて先発したが、そんな雰囲気を感じさせない投球だった。初回に空振り三振を奪うなど立ち上がりから飛ばした。3回には自己最速の148キロをマークし、会場をどよめかせた。4回まで完全投球。5回に初めて走者を出し2死満塁のピンチを背負うが、後続の打者を打ち取り無失点に抑えた。その後もツーシームとチェンジアップを決め球に相手打線を沈黙させ、7回4安打無失点で10奪三振と役割を全う。8回コールド勝ちに貢献した。米田は「無失点で抑えられたけど、球が浮いたりしていたので70~80点くらい」と自己採点。

先輩からも「援護」をもらっていた。試合前に今秋ドラフト上位候補右腕の小園健太投手(3年)から「後ろには俺たちがいるから思いっきり投げてこい」と声をかけられていた。小園は試合後「1回終了した時に様子を見ても、良い力感で投げていた」と後輩の好投をたたえた。

2年生米田の頑張りでエース小園も温存できた。この日の勝利は、甲子園出場を目指すチームにとって収穫だ。市和歌山は23日に行われる準々決勝の耐久戦に一丸となってぶつかる。

▽ロッテ・三家和真スカウト (先発米田について)体のわりに力のあるボールを投げていたし、以前よりボールに角度がついていた。球種も豊富でまだまだ伸びると思う。小園という良い存在がいるので切磋琢磨(せっさたくま)し合っていると思う。(今秋ドラフト候補松川虎生(こう)捕手=3年について)テンポ良く投げさせていた。投手のピンチの場面で声かけもしていて捕手としてちゃんとケア出来ている。打撃もちゃんと自分のタイミングをとれていた。