プロ注目の二刀流、阪口楽(うた)投手(3年)を擁する岐阜第一が海津明誠に敗れ4回戦で姿を消した。

先発の阪口は初回、無死一、二塁で相手の3番大橋雄真内野手(3年)に中前適時打を浴び先制点を献上。3回にも追加点を許したが、走者を出しながらも9回8安打2失点で粘投した。しかし、あと1点が遠く惜しくも敗れた。阪口は「気持ちが空回りして甘い球が行ってしまった」と自身の投球を振り返り「県岐阜商を倒して自分が甲子園に連れて行くと決めていた。本当に申し訳ない」と涙を抑えることができなかった。

試合後、阪口の口からは「力不足」という言葉が何度も飛び出した。それでも5回に右前適時打を放つなど、投打で高いポテンシャルを発揮。この日もプロ8球団13人のスカウトが熱視線を送っていた。視察したDeNA中川スカウトが「プロで主軸になれる素材」と評すなど大きな可能性を秘めている。

プロ志望については未定も「今日の負けを必ず生かす」と前を向く。「岐阜の二刀流」はこの悔しさを次の舞台で晴らすつもりだ。【山崎健太】

◆阪口楽(さかぐち・うた)2003年(平15)6月24日、京都府京田辺市生まれ。一休ケ丘ファイターズでプレーし、田辺中ではオール山城ヤングに所属。岐阜第一では投手、内野手、外野手として活躍。最速143キロ。高校通算27本塁打。50メートル走6秒3。遠投100メートル。憧れの選手はエンゼルス大谷翔平。187センチ、89キロ。右投げ左打ち。