日本航空(山梨)が接戦を制し、13年ぶり6度目の夏の甲子園出場を決めた。就任3年目の豊泉啓介監督(36)は「感謝しかありません。もう、試合に出られたことが…」と涙で声を詰まらせた。

野球部だけじゃない、学校全体で勝ち取った切符だった。6月に、校内で新型コロナウイルスのクラスターが発生。全国高校総合体育大会の県予選を男子サッカー部やバレーボール部、バスケットボール部、卓球部、空手道部が辞退した。野球部は県大会まで時間があったため、収束に全力を注いで出場にこぎ着けた。最終回を無失点に抑えた小沢耕介投手(3年)は、同じクラスの空手道部の選手から「俺らの気持ちも背負って、試合に出てくれ」と託された。「自分たちは(大会が)残っていたので、甲子園で活躍する機会を意識していた」。先発した大型左腕のヴァデルナ・フェルガス投手(3年)が、7回1失点で試合をつくった。「心配だったけど、大会に出られると信じて練習してきた。甲子園で勝てるチームが目標。日本一になりたい」と決意を口にした。【保坂恭子】