川口が、公立で唯一の4強入りを果たした。

延長11回、3時間36分の激闘を制し、18年の記念大会の南埼玉大会で準優勝して以来3年ぶりの4強進出となった。鈴木将史監督は「一生懸命やってきたことが、あの回(11回)に詰まった。よくバットを振ってきた選手たちなので、集中力を持っていい攻撃ができた」と話した。

5-5で迎えた延長11回1死満塁。攻撃のタイムを取った。鈴木監督から「打てるか?」と聞かれた中込琉太朗内野手(3年)は「打ちます」と力強く答えた。

2球目をしっかりとらえ、右中間を破る走者一掃の二塁打を放って均衡を破った。大きなガッツポーズをベンチに向かって決め「打った瞬間に頭が真っ白になった。球種も覚えていません。回りの歓声が聞こえて、うれしかったです」と話した。

「打ちます」と答えたのは、自信があったからだ。とにかく、バットを振ってきた。今年5月には、1日にティー打撃で3000スイング。次の日まで握力は戻らなかった。

3年前の南埼玉大会で準優勝したチームを見て、川口に進学した。憧れた舞台に、どんどん近づいてきた。「実感はあります。(準優勝を)越して、甲子園に行って日本一になりたい」と話した。