帯広大谷は打撃戦の末、旭川大高を12-10で撃破。7回に7者連続適時打など一挙8点で逆転し、8年ぶりの優勝に王手をかけた。

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タイムリーの7連発。帯広大谷が一挙8得点の猛攻で、試合を豪快にひっくり返した。3大会連続甲子園を狙った旭川大高を撃破し、網野元監督(49)は「追い込まれてからも、センター返しというところはできたかなと思う。よく打ってくれましたね」と振り返った。

追いかける展開でも、ベンチはまったく沈んでいなかった。「なんとか次のバッターにつなげよう」。監督の指示を受けた選手たちが奮起したのは、3点を追う7回だ。3番臼井の適時内野安打、4番高橋の2点適時打で同点。相手投手の代り端、「変化でカウントを取りに来る」と5番村上が内角スライダーを強振し、決勝の中前適時打。勢い止まらず9番火ノ川まで7者連続適時打のヒットパレードで打ち勝った。

北大会3試合連続の2ケタ得点で、8年ぶりの決勝進出。先に準決勝を突破していた帯広農と対決する。今年に入ってからの練習試合では1勝1分だが、昨秋の地区2回戦で6-8の敗戦。雪辱のチャンスが巡ってきた。

村上は芽室中時代にチームメートだった帯広農の村中、谷口との対戦を心待ちにする。準決勝前日には同じ宿舎となり、会話も交わした。昨夏の甲子園交流試合で安打をマークしている2人の球友に勝ち、聖地への切符を狙う。「決勝というよりかは去年の秋負けているので、去年の借りをここで返すくらいの気持ちで。自分たちの野球をしたい」。聖地までの階段はあと1つだ。【山崎純一】

▼旭川大高・端場雅治監督(52) みんな、しっかりやってくれたが、最後に自分たちで崩れてしまう弱さを、変えてあげることができなかった。

▼3安打4打点も8回途中で足がつり交代となった帯広大谷・高橋 リードされても1点ずつ取ろうと心掛けた。ここまで来たら気持ちで負けないようにしたい。

▼日本ハム杉浦(帯広大谷OB。帯広勢による決勝に)「地元の高校が決勝にいくのもうれしいし、母校がいくのもうれしい。少しでも悔いがないように、自分がやってきた3年間を信じて最後まで思い切ってプレーしてほしいです」