関東第一が昨夏の独自大会を含め、13年から9年連続となる4強入りを決めた。5回に打者12人で8安打8得点し、7回コールド勝ち。4回までは芝・尾藤に抑えられたが、ここぞの集中力を発揮した。着火したのは控え捕手の一振りだ。無死一、三塁で代打・片山嘉月捕手(3年)が初球を中前へ先制打。4番の石見陸捕手(3年)は「切磋琢磨(せっさたくま)した仲。勇気をもらいました」と、自らも適時二塁打を放った。

石見は前の試合から4番に座るが「前後に、いい打者がいる。つなぐ意識です」。初回の先制機でスライダーに空振り三振。4回も変化球に空を切らされた。「ポイントを寄せて逆方向に」と、5回は1死一、二塁で直球を右越え二塁打。仲間に勇気をもらい、技術面は試合の中で修正。心身のバランスが、がっちりかみ合った。二塁に達すると、今春関東大会で骨折した顔面を保護する黒いフェースガードを装着。「もう痛みはありません」。おなじみのシーンとなっている。

投手陣は、エース市川は使わずに3人で無失点リレー。あと2勝で2大会連続の夏の甲子園だが、次戦からは東京ドームだ。球児にはなじみのない舞台だが、米沢貴光監督(45)は「社会人(シダックス)の時にドームでプレーした経験を伝えます」と抜かりなく言った。【古川真弥】