ノーシードの修徳(東東京)がサヨナラ満塁弾で、4強入りした。3大会連続の決勝進出を目指す都立の雄、第4シード小山台を延長10回、4番佐藤大空外野手(2年)のサヨナラ満塁本塁打というドラマチックな結末で下した。93年、2004年と2度、甲子園8強の実績を持ち、決勝進出を懸けて春季東京大会王者の関東第一と8月1日に東京ドームで激突する。帝京はノーシード対決で東亜学園の追い上げをしのぎ、4強入りした。

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延長10回裏まで、両軍合わせてヒットはすべて単打の7本。連打はない。修徳は2死満塁で、4番佐藤が打席に。マウンドには小山台のエース木暮瞬哉(3年)。目を離せない投手戦に決着の予感が漂った。

佐藤は木暮のスライダーを狙った。6回1死一、二塁では初球スライダーを狙い、いい当たりの左飛。「(6回の打席では)泳がされました。そのスライダーを狙っていました」。木暮も佐藤の打ち気を承知の上でスライダーを選択。「フライを打たせようと。ただ(6回の打席よりも)ちょっと甘く入りました。腕が伸びるところへ、行ってしまった」。

真ん中やや外寄り、118キロのスライダーを、佐藤は会心の当たりで左翼へ運ぶ。「狙っていたスライダーが来て、ちゃんと捉えることができました。木暮さんはスライダーがいいと知っていたので、その球を打ててうれしいです」。

まったくの互角の試合は、雷による2度の中断を挟んだ。小山台は継投、修徳はエース床枝魁斗投手(3年)が15奪三振の快投。お互いの特徴を出し合った準々決勝は、劇的な一撃で決着した。

修徳は15年夏から5年連続してベスト8の壁を突破できずにいたが、佐藤のフルスイングで、そのジンクスを払いのけた。エース床枝は「関東第一を倒すためにやってきた。やっとその土俵に立てました」と言った。右肩を冷やしながら、目を輝かせ、打倒関東第一へ、闘志を燃やした。【井上真】