聖地3対策で勝利につなげる。第103回全国高校野球選手権(8月9日開幕、甲子園)の北北海道代表、帯広農が7月31日、帯広の森野球場で約2時間の全体練習を行った。外野ノックでは通常より内外野とも深めに守り、連係をチェック。昨夏甲子園交流試合に出場している主将の佐伯柊遊撃手(3年)は「甲子園では強打者が多い。そのための準備。深く守ったときの連係と、内野の後ろに打球が落ちる可能性も考えながら準備をしたい」と話した。

今大会は本番前の甲子園練習がないため、守備の感覚をつかむ方策として両翼97メートル、中堅122メートル(甲子園は両翼95、中堅118メートル)の帯広の森を使い練習した。関西入り前最後の球場練習で、前田康晴監督(45)は「うちのグラウンドでは少し狭いので、使わせてもらった」と説明した。

暑さ対策も進化させる。昨年は氷嚢(ひょうのう)を複数準備した程度だったが、2年連続となる今回は、投手がベンチで体を冷やす冷却ベストを2着購入。前田監督は「効果が大きければ増やす」と話した。

移動時期も念入りに調整。現状6日に関西入り予定だが、同監督は「試合日が遅くなるなら暑い場所に滞在する期間を少しでも減らせるよう8日入りも検討している」。高崎健康福祉大高崎(群馬)に快勝した昨年の甲子園交流試合は2泊3日の短期遠征で、暑さによる疲労を最低限に抑えられたことも勝因の1つとなった。2年連続の夏の甲子園で、経験値を最大限に生かしていく。【永野高輔】

▼帯広農は北大会に登録した18人を、そのまま甲子園メンバーとして登録する。すでに選手には伝達済みで、この日、公表となった。前田監督は「北大会はいい形で勝つことができたし、ベンチのムードも良かったので」と説明した。2日にはPCR検査を受ける。コロナ禍で出場辞退している強豪校も複数あり「まずは健康と体調を管理して、しっかり試合に臨めるように気を配りたい」と話した。