第103回全国高校野球選手権大会(甲子園)が10日に開幕する。この夏を待ち望んでいたのは、高校球児だけではない。「帰ってきた夏」と題し、アルプスに2年ぶりに戻ってくる吹奏楽部やチアリーディング部、応援団の部員を紹介する。
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彼女たちもまた、甲子園の開幕を心待ちにしていた。1949年(昭24)から校名を記したプラカードで選手たちを誘導する市西宮(兵庫)の女子生徒だ。昨夏は中止となったが、優勝旗返還式に15人が参加。阪神・淡路大震災でもコロナ禍でも歴史を紡いできた。97年から指導する青石尚子教諭(52)は「どんな形でもありがたいですよね」と感謝した。
今年の選考会には対象となる2年生の女子生徒から140人が応募。体育科の教諭7人が歩く姿勢とリズムの2項目で採点。64人と体調不良時などに備えるスーパーサブ4人が選ばれ、「元気な子が多い」と青石教諭は雰囲気を感じ取る。生徒たちには「同級生も山ほど落ちている。あかんかった子たちの分も、先輩の分も今年は受けとらなあかんねんからね」と伝えた。
新型コロナの感染状況の悪化もあり、練習は当初予定の2日間から1日のみに変更。開会式の行進は簡素化される。1校ずつ校名がアナウンスされ球場内を1周するいつもの光景はないが、49校が勢ぞろいしてから一斉に外野から本塁方向へ進むシーンは変わらない。選手が外野に整列してスタートする“新様式”が故に初めて選手にアドバイスできる機会が生まれる。青石教諭は「姿を見て実際の形になったところで少しだけアドバイスを言える。そこはありがたいとは思いますね。例年と違うけどプラス」と前向きだった。
緊張感あふれるリハーサルを終え、青石教諭は「彼女らができる精いっぱいはやらせていただきます。選手は頑張ってやってきたんやからね」。2年ぶりに49代表校が参加する入場行進。思いを1つに最高の舞台を演出する。【林亮佑】

