<全国高校野球選手権:二松学舎大付2-0西日本短大付>◇20日◇2回戦

11年ぶり6度目出場の西日本短大付(福岡)は二松学舎大付(東東京)に0-2で敗れ、初戦で散った。プロ注目の最速144キロ右腕のエース大嶋柊(しゅう)投手(3年)は、8回4安打2失点の好投だった。だが、打線が同じくプロ注目の最速146キロ左腕、二松学舎大付・秋山正雲投手(3年)を前に沈黙。満塁機を逃すなど最後まで打ち崩せず9三振を奪われ、4安打完封負けを許した。

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西日本短大付のエース大嶋は、試合後も悔しさのあまり、泣きじゃくった。

息づまる投手戦で8回4安打2失点と好投を見せた。それでも、打線の援護なく競り負け「負けは負け。勝たなきゃいけない試合で、悔しいです」と肩を落とした。ただ、聖地で強みの粘りの投球を見せられたことには「より一層、自分を成長させてくれた場所でした」。7度の雨天順延により、当初13日から20日にずれ込んだ初戦の登板に感謝した。

悔やまれるのは6回の失点だ。5回まで2安打無失点と互角の勝負を演じた。「先に点をやらないよう心掛けていた」が、6回に失策も絡んで1死三塁とされ、中前打で痛恨の先制点を献上。さらに、2死二塁から右前適時打を浴びた。それでも「(二塁手の)江口のエラーを先輩として救ってやろうと思ったが点を取られ、悔いが残る」と、6回に先頭打者の打球を失策した1年生を思いやった。

プロ注目の秋山を打ち崩せなかったことが敗因でもある。6回1死満塁から2者連続空振り三振を喫するなど好機で1本が出ず、粘る大嶋を援護できなかった。

西村慎太郎監督(49)は「大嶋はよく投げてくれたが、秋山投手はピンチでギアが入る。うわさ通り、それ以上のピッチャーだった」と振り返った。福岡大会決勝では、プロ注目で最速146キロ左腕の真颯館、松本翔投手(3年)を攻略しての優勝。自信を得て乗り込んだ甲子園だったが、全国レベルの好投手は想像以上に手ごわかった。【菊川光一】

○…高校通算22本塁打の4番・三宅海斗捕手と、3番・林直樹内野手(ともに3年)のプロ注目スラッガーコンビは見せ場がなかった。三宅は4打席で3四球。林も3打数1安打1三振。コーナーを突く丁寧な投球に翻弄(ほんろう)された相手エース秋山について、三宅は「コントロールがよかった」。プロ志望届を出す予定の林も「まっすぐも速かったし、変化球もよく腕を振れていてよかったです」と脱帽だった。