横浜(神奈川)の1年生エース杉山遙希投手の夏が終わった。甲子園初先発で4回を投げ6安打5四死球で3失点。「今日はコントロールのばらつきがあって変化球が決まらなかった。高得点(高い評価)をあげられる投球ではなかった」と悔やんだ。

毎回走者を背負う苦しい投球だった。3回までは真っすぐとスライダーを外角中心に打たせて取り、無失点に抑えたが、4回には四球から制球を乱し4連打を浴び3失点。「先頭打者を出してしまったのが大きなミスだと思います」。わずかな制球ミスも、大舞台では敗因につながることを学んだ。

横浜の背番号1を背負って挑んだ甲子園。初戦では抑えで1イニング。そして今日の2回戦では先発のマウンドも踏んだ。杉山にとっては大きな経験になったはずだ。「自分の持ち味は伸びのある真っすぐ。緩い変化球で真っすぐを投げて打者が振り遅れたというのが、少し通用したと思いました」と大舞台での収穫を口にした。

目指すは全国制覇だ。「1年生で甲子園で投げられたのは大きな経験。負けた悔しさを普段の練習にぶつけて甲子園に戻ってきたいです」。新生・横浜を担う背番号1。再び、このマウンドに帰ってくることを固く心に誓った。

▽横浜・渡辺元智元監督(横浜の試合を見届け)「いい経験になったと思います。やはり、外のゆるい球に手を出さないのは鉄則ですね」

◆横浜が完封負け 横浜が甲子園で完封負けを喫したのは春夏通算89試合目で4度目。78年夏の県岐阜商戦で野村隆司投手に許して以来、43年ぶりとなった。歴代最長を続けていた甲子園連続完封負けなしの記録は76試合でストップした。