高松商(香川)は智弁和歌山のプロ注目右腕・中西聖輝(まさき)投手(3年)を攻略できず、1970年(昭45)以来の夏ベスト8を逃した。

一矢報いたのは浅野翔吾外野手(2年)だ。高校通算34本塁打を誇るスラッガーは4点ビハインドの6回1死で右打席へ。カウント1ボールから外角低めに入ったスライダーを強振した。「スライダーを狙っていて、いいスイングができました」。大きな弧を描いた打球は浜風にも乗って左翼席に着弾。ベース周回では右手を突き上げ、人さし指を伸ばした。「(今回の甲子園で)本塁打の打席が一番納得できる打席でした」。通算35本目の1発に胸を張った。

チームは1-5と劣勢の9回2死から2点を返す粘りを見せたが、16強で夏を終えた。試合後、長尾健司監督(51)は「(主将)やるよな?」と浅野に質問。浅野は「はい」と即答した。「(現主将の)山崎さんが背中で教えてくれた。山崎さんを見習って。(自分も)パワーアップして、チームもレベルアップしてまた甲子園に帰ってきたい」。この1敗を糧に、チームを引っ張ることを誓った。