学法福島が安積黎明を9-2の8回コールドで下した。長田海翔主将(2年)が3安打2打点に加え、3投手を巧みにリードしチームを逆転勝利に導いた。

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11年の秋季県大会準決勝で田島を8-0で下し、決勝へ進出。決勝は、聖光学院に屈したものの準優勝。続く東北大会2回戦で秋田工を2-0で下し、8強となった験を担いだ。この日はいつものオレンジではなく、10年前と同じ紺のソックスを着用して試合に臨んだ。その偉大な先輩らの力が宿ったのか、なかなかつかめなかった試合の流れをついにものにした。1-2で迎えた8回、先頭の日原一翔外野手(2年)が左越えに二塁打。それを皮切りに打者13人を送る猛攻。8安打8得点のビッグイニングで試合を一気にひっくり返した。

負けのムードは決して出さない。6回までわずか4安打の拙攻。得点圏に走者を置いたのは3回と、終盤までいい流れを引き寄せることができなかった。しかし、選手はみんな笑顔を絶やさなかった。長田主将は「ベンチで点数を取っているようなもの。こういう逆転している試合はほとんどベンチのおかげです」と振り返る。「ベンチがみんないい顔をして、1人1人がプラスの声をかけていればそのパワーがバッターに行くと思う」。笑顔を絶やさず、チャンスをうかがうチーム全員の姿勢が8回の逆転に結びついた。22日の3回戦に向け長田主将は、「笑顔でやっていればその副産物として勝利が待っていると思う。当たり前を、しっかり笑顔でやり切りたいです」と語り、この先も笑顔を忘れない。

藤森孝広監督は「子どもたちが予想に反する結束力を見せてくれた。それが何よりうれしい」と喜んだ。10年前は準優勝、2年前は優勝という結果を出している秋の舞台で、笑顔を絶やさず、1戦1戦を勝ち上がっていく。【濱本神威】