2年連続の春の甲子園に向けて、大勝発進だ! 今春センバツ出場の柴田が16安打12得点で仙台城南に7回コールド勝ち。秋初戦突破を決めた。「4番一塁」で先発した菅野結生(ゆうき)内野手(2年)が、4安打3打点と打ちまくり、主軸の責務を全うした。

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柴田打線が初回から火を噴いた。2死から四球を含む5連続単打で4点を先制。勢いは止まらず2回にも3点を追加し、3回は打者一巡の猛攻でさらに3点を奪った。全16安打中12本がシングルヒットで、犠打も絡めながら盤石な試合運びだった。 (48)は「たまたまだと思いますけど、初回から攻撃がつながってくれた。良い感じで振れていた」と納得の笑みを浮かべた。

4番菅野のバットが初回の中前打を皮切りに、もう止まらない。3回2死一、二塁では右前適時打、5回も2打席連続の右前適時打を放ち、2回の中犠飛を含む3打点の大活躍。7回の最終打席ではしぶとく流し打ち。左前二塁打で3方向に安打を量産した。「感覚が良くて『今日は打てる』と思っていた」とその予感は的中した。

1度は敗れている因縁の相手。地区予選は5-9と新チーム初の公式戦黒星。「お前ら、やる気あるのか!」と練習中から指揮官は、ナインに“愛のゲキ”を飛ばし続けてきた。菅野も「『やり返すぞ』の気持ちがあった」と闘志を燃やし、圧勝劇で雪辱を果たした。

刺激ももらった。コロナ禍の影響で練習試合はできない状況が続く。実戦不足の解消へ。試合前には今春センバツを経験した3年生との紅白戦で汗を流した。指揮官は「3年生らが快く試合をやってくれて、良い3年生たちです」と感謝。菅野は気持ちを引き締める機会になった。「先輩たちの成績を超えられるように(甲子園に)忘れ物を取りに行く」。目指すは創部初の「聖地1勝」だ。先輩の思いも背負い、まずは秋の宮城を制す。【佐藤究】