球打(きゅうた)に届け! 今日11日のドラフト会議で1位指名が予想されるノースアジア大明桜(秋田)の最速157キロ右腕、風間球打投手(3年)に期待を寄せる“秋田の応援団”が、運命の日を前にしてエールを送った。【取材・構成=山田愛斗】

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バスケットボールのBリーグで“NO・1”の野球マニアが、風間に熱視線を送る。B1秋田ノーザンハピネッツの田口成浩(31)は、明桜、富士大(岩手)を経てプロの道に進んだ。同じ東北からプロ野球の世界に挑む後輩を、いち野球ファンとして注目する。

田口は明桜の今夏甲子園での戦いをテレビ越しに見守った。「自分の母校が出るのはうれしいですし、基本野球が好きなので、もちろん見てました。さすが馬淵監督だと思いましたね」。2回戦で名将・馬淵史郎監督(65)率いる明徳義塾(高知)と対戦。風間対策を徹底されて敗れた。

Bリーグの選手になった田口だが、小学4年から中学までは野球少年で、甲子園やプロ野球選手を夢見た1人だった。中学最後の大会は三塁コーチで幕を閉じ、高校ではプレー経験があったバスケットを選択。明桜3年時の全国高校バスケットボール選手権(ウインターカップ)の秋田県予選決勝では、強豪・能代工(現能代科学技術)に1人で29得点の“伝説”を残すまでに成り上がった。

根っからの野球好きはずっと変わらない。18年夏の甲子園準々決勝、金足農(秋田)-近江(滋賀)戦を生観戦。金足農の2ランスクイズでの劇的勝利を見届け「やばかったですね。お祭りでしたし、最高でした」。昨季まではB1千葉に在籍。ZOZOマリンや東京ドームなど多いときは2週間に1度のペースで球場に足を運び、ロッテ所属で明桜出身の山口航輝外野手、秋田商出身の成田翔投手と「秋田3人衆」で食事に行ったこともある。自身のSNSも野球の話題で日々あふれている。

ドラフトの注目は当然一択だ。「やっぱり風間君じゃないですか。力でねじ伏せるような投球が魅力ですし、157キロはプロでも投げられる人は少ないので、ぜひプロに入って頑張ってもらいたいです」とエール。貫いてほしいことがある。「自分の良さを忘れず、自分を常に持ちながらプレーしてもらいたいと思います」。競技は違えど、後輩が同じスポーツ選手になる日を楽しみに待つ。