大館桂桜(秋田2位)のエース右腕・福田春輝(2年)が投打で奮闘し、チームに秋の東北大会「初勝利」をもたらした。

有言実行の一打だった。4-4の同点で迎えた9回の攻撃前。福田はベンチでナインに言った。「自分の前にランナーをためてくれたら絶対に決めるから」。この回先頭の高清水涼内野手(1年)が中前打を放つなど、1死満塁の場面で3番福田へ。カウント1-0からの2球目。外角直球を引っ張り、打球は左翼手の頭上を越えた。逆転の2点適時二塁打に「とにかくうれしかった」と安堵(あんど)の笑顔を浮かべた。

投げては148球の力投。9回を7安打4失点(自責3)で完投勝ち。初回から気迫を前面に出した強気な投球スタイルで大量失点を許さなかった。最速142キロの直球を軸に変化球を織り交ぜ、8奪三振もマーク。味方の4失策にもマウンド上では笑顔を貫き、気持ちが途切れることはなかった。「自分がチームに流れを持ってこようと思っている。笑顔を大事にしている」とにっこり。

次戦は23日、4強入りを懸けて八戸工大一(青森2位)と激突する。「コースにしっかり投げて、アウトを取っていきたい」と闘志を燃やした。【佐藤究】